【読書メモ】「ブルー・オーシャン戦略」
「ブルー・オーシャン戦略」を読みました。
これは、Find!Jobで内定者アルバイトを始める際にミクシィ・リクルートメントの社長がおすすめしてくださった本でした。
「マーケティングに関して幅広い知識を備える」ことを目標に挙げているので、どのような領域でどのようなマーケティングをすることでサービスをグロースするのが良いのか、と言うことを事例を通して考えることができた1冊でした。
ブルー・オーシャンとは
一言でいうと、ブルーオーシャンは「競合のない領域」です。
基本的に企業はレッドオーシャンの中でパイ(顧客)を争い合って自社のサービスを伸ばしています。
もちろんレッドオーシャンで競合と戦いつつ利益を出していくことも大切ですが、それだけでは大きな利益を出すことはできず、自社なりのブルーオーシャンを見つけることが必要不可欠になっている、ということです。
レッドオーシャンとブルーオーシャンの違い
基本的にレッドオーシャンでは、「価格を落とす」、もしくは「差別化を図る」と言うどちらかの戦略を選び、企業活動も全てそれに合わせます。
一方でブルーオーシャン戦略では、差別化と低コスト化、どちらもともに追求し、その目的のために企業活動を推進していきます。
本書で取り上げられていたサーカス「シルク・ド・ソレイユ」(この本を読むまでシルクドソレイユがサーカスだったと知りませんでした。劇団か何かだと思っていた…)は、これまでサーカスが当たり前としてきた「動物の使用」をやめることでコストを大きく落とす一方、これまでのサーカスになかったストーリー性や芸術性を魅力とし、「サーカス」という縮小し続けていた業界で抜きん出ました。
ブルー・オーシャン戦略で使われるフレームワーク
レッドオーシャンで使用すべきフレームワークは、ネットを探してもたくさん出てきます(SEO対策などがその最たる例ではないかと思います)。
ですが、ブルーオーシャンを策定するためのフレームワークは、あまり見かけたことがありません。
本書では、
- 戦略キャンパス
- 四つのアクション
- アクション・マトリクス
という3つのフレームワークが紹介されていました。
「優れたブルーオーシャン戦略時の勝ち曲線には
- メリハリ
- 高い独自性
- 訴求力のあるキャッチフレーズ
という3つの特徴がある」と考えられており、これらはそれを判断するための方法です。
本書で紹介されていた日本の「QBハウス(1000円カットの美容室)」
も、コストを格段に抑えた上で、他社との差別化(特殊な機械を使用し、シャンプーをしなくとも切った髪を綺麗に落とせるなど)を図り、大きく成功していました。
ブルーオーシャンを築く正しい順序
ブルーオーシャンを築く正しい順序についても述べられていました。
順番としては
- 「この事業アイデアは、比類ない効用をもたらすか?」
- 「多くの人にとって、手を伸ばしやすい価格か?」
- 「価格競争力を保った上で、利益の出る水準までコストを下げられるか?」
- 「このアイデアを実現する上での障害は何か?事前に策は練っているか?」
これら1つ1つを自ら順番に問い、「NO」が出たところで練り直し、改善した上で次の質問に向かいます。
4つすべてを突破した時に、初めて商用に耐えうるブルーオーシャンアイデアとなるようです。
特に気になったのが1についてです。
1については、最前線のテクノロジーを使用した商品を発明した企業が、「これは素晴らしいに違いない」と舞い上がって商品を発売したものの、機能が多すぎるあまり顧客としては使用しにくく、結局売れなかった…というとある企業のCDプレーヤーが例に出されていました。
おそらくプロダクトアウトな発想が、このような結果を招いてしまったのだと思います。IT企業でも、今後新しい技術が生まれるたび、このような事態を招く可能性は十分にあると思いました。
ARやVRなど、新しい技術を用いたアプリなどは、開発する側としては「新しくて面白い」ものだと思えますが、そのまま商品にしても顧客には「よくわからない」「難しい」「使いこなせない」と思われてしまいそうです。
「いかに使いやすく、ユーザーがその価値を存分に体験できるか」ということを意識してサービスを作っていく必要があるなと思いました。
ブルーオーシャン戦略の模倣をはばむ障壁
基本的には、ブルーオーシャンへの競合他社の参入は、極めて難しいものになっていると言います。
その理由としては
- ブルー・オーシャン戦略は、他社のブランドイメージとは相容れない可能性がある
- 自然独占によって、2社目が成り立たない場合が少なくない
- 特許や法規制が模倣を防ぐ可能性がある
- バリュー・イノベーションを実現した企業は、規模の拡大を通じてコスト優位性を築き、模倣者の参入意欲をくじく
- ネットワークの外部性が模倣をはばむ
- 模倣を実践するには、業務オペレーション、社風、社内政治のあり方などを大幅に改める必要がある
- バリューイノベーションを成し遂げた企業は、ブランド人気が沸騰して、顧客から高いロイヤリティを得るため、他社は模倣しにくくなる
ということが挙げられていました。
「バリューイノベーションを実現した〜」では、アメリカのウォルマート社の例が挙げられていました。
ウォルマートは、購買面で規模の経済を享受しているために、他社ではもはや真似することができません。
「ネットワークの外部性〜」というのは、ブルーオーシャンとは言えないかもしれませんが、メルカリがそれに当てはまると思いました。
現在フリマアプリとして大きなシェアを持つメルカリですが、出品者が増える→購入者が増える→購入者が多いから出品者が増える→出品数が多いから購入者が増える…という仕組みが生まれています。これががネットワークの外部性、ということです。
これだけ参入障壁が高い市場であるため、もちろん創造するのもめちゃくちゃ難しい、という事にはなりそうです。
日本でも生み出されているブルー・オーシャン戦略
ネットで調べてみると、日本でのブルーオーシャン創造事例では、QBハウスの他に、docomoのiモードやメガネブランドのJINZ、任天堂wii、リクルートマケパのスタディサプリなどがあるようです。
これらの事業についてはまだ詳しく調べられていないので、近々本や記事を探してみる予定です。
本書では他にもブルーオーシャンを築くための組織の作り方についても書かれていました。
今回はマーケティングの手法・概念について知る事を目的に読んだので、ブログでは割愛しますが、事業をより俯瞰的に見つめたい時に、読み返したい項目だなと思いました。
0→1で事業を作る、という事があれば、既存のサービスを参考にするのはもちろんですが、このようなフレームワークや事例を元に、ブルーオーシャンを創造する事を意識したいと思いました。